阪神タイガースとの思いがけない出会い

櫻井さん 私たち宇佐美グループは、サービスステーションを主軸とした、燃料販売事業を全国で展開しています。しかし、近年は電気自動車や水素自動車の普及や地政学的なエネルギー問題などにより事業環境が変化し、従来型の燃料需要が減少する傾向にあります。なにかテコ入れをしなければいけない、そんなことに頭を悩ませていたのが2023年です。当時、私は販売統括本部に所属しており、販促施策のプランニングや実施などを担っていました。そこで当時、トラックドライバーの皆様を対象とした軽油販促プロモーションを企画したのです。
プロモーション名を「トラックフェスティバル2023」略して「トラフェス」とし、ノベルティとして食品メーカーとコラボレーションしたオリジナルカップラーメンをつくるなど、企画を進めていきましたが、そんな中、阪神タイガースさんのイベントで「トラフェス」という音楽と野球観戦を同時に楽しむ催しがあることを知り、阪神タイガースさんと「いつかコラボできたらいいですね」という、冗談とも本気とも言えないようなお話をしました。結果的にこの出会いが弊社の販促活動の新たな可能性を開く扉となりました。

冠協賛2試合でトラフェスとのコラボ企画も実施

櫻井さん それから程なくして、阪神コンテンツリンクさんから冠協賛試合についての具体的な提案をいただいたのです。阪神タイガースは関西圏のみならず、日本全国で知名度の高い人気球団です。そのスポンサーになるということは弊社にとって魅力的な提案でした。

一方、社内での意思決定プロセスでは、費用対効果を懸念する声もありました。特に、燃料販売量への直接的な効果を数値化することは難しく、説得に苦労した面もありましたが熱意を持ってプレゼンした結果、販促予算の一部を当てて「まずはやってみよう」という空気が生まれました。結果として、この決断は正しかったと確信しています。

冠協賛試合では、「宇佐美トラフェスデー」と銘打ち、阪神タイガースさんの「トラフェス」の開催日に合わせて2試合実施させていただいたのですが、これが社内外から多くの反響がありました。当日は球場で私たちの「トラフェス2024」とコラボさせていただいた「宇佐美鉱油×阪神タイガース オリジナルうちわ」の配布や、冠試合に当社の取引先をVIPとして招待したり、普段ご利用いただいているトラックドライバーの方々やグループ従業員とその家族を観戦に連れて行ったりと、社内外へのエンゲージメントを意識した企画を展開しました。特に始球式では、弊社会長と社長がマウンドに立ち、この瞬間を取引先の方々や従業員が直接目にすることで、大きな一体感が生まれました。

また全国の宇佐美直営店で開催した「トラフェス2024」では、給油ポイントに応じてドライバーに進呈するノベルティに、阪神タイガースのロゴやマスコットキャラを活用しました。こちらも応募が好調で、関西圏で強いと思っていた阪神タイガースさんですが、全国的な影響があるなと改めて認識させられました。

社内外に広がるスポンサーシップの価値

櫻井さん 私たちが実感している最も大きな価値は、「企業としての信頼度向上」と「社内の一体感醸成」です。冠試合については業界紙にも掲載していただき、業界では多くの注目を集め、同業他社や業界全体に対していい刺激を与えられたのではないかと思っています。社内での反響も大きく従業員満足度アップの効果を肌で感じており、今後はリクルートへの効果も期待できると考えています。

さらに、私が特に感銘を受けたのが、阪神コンテンツリンクさんの対応力です。一つ目の冠協賛が梅雨時期だったこともあり、「雨が降ったらどうするのか?」など、細かな懸念まで度々相談させていただきました。かなり面倒なクライアントだったのではないかと想像しますが、試合当日に備えて雨合羽を用意していただくなど、どんな要望にも一つひとつ丁寧かつ真摯に応えていただきました。この柔軟さは、サービス業である我々も非常に見習うべき姿だと感じました。

次年度は本年度の取り組みに加えて、阪神甲子園球場と阪神タイガースファーム球場への広告看板出稿を決めましたが、その理由の一つは阪神タイガースの全国的に絶大なブランド力。そして、もう一つはスポンサードの過程で実感した阪神コンテンツリンクさんへの信頼感です。

阪神タイガースという日本を代表するプロ野球球団とのコラボレーションは、私たちにとって大きなチャレンジでした。しかし、「やってみてよかった」と心から感じています。今後も阪神コンテンツリンクさんと共に、新しい価値を生み出していけることを楽しみにしています。社内からは早くも「もっと面白いことができるのでは」という声も上がっており、次のステージに向けての準備も始まっています。

結果が見えにくいと思われがちなスポンサーシップですが、私たちの経験から言えることは、「思い切って飛び込んでみる価値がある」ということです。特に阪神タイガースさんのような全国的に絶大なブランド力を持つチームとのコラボレーションは、想像以上の可能性を秘めています。これからも、お客様、従業員、そして球団のファンの皆様に喜んでいただけるような取り組みを続けていきたいと思います。


[担当者のコメント]
阪神コンテンツリンク  常田
櫻井様をはじめ宇佐美鉱油の皆様と密な関係を築かせていただけたのは、私にとっても財産です。櫻井様は「細かな懸念」と仰いますが、社内外への細かい配慮まで深く考えられ、社内でかなり綿密な調整を行った上でのご相談だったと思っています。せっかく協賛いただいたことに加え、櫻井様の熱意にお応えしたいという気持ちもあり、私たちでお力添えできることを全力でご対応させていただきました。