目まぐるしく変わる社会にどんな価値をどう発信していくべきか

青柳さん 私たちは鉄道インフラを主とした建設業ですから、長年BtoBのことを念頭に置いてビジネスを展開してきました。ただ、一般の方への知名度や認知度のアップを図らなければ、会社がさらなる成長をしたり殻を破ったりするきっかけは生まれないのではないか、というジレンマや課題感はずっと抱えていたのです。
例えば私の担当は新卒採用なのですが、大鉄工業を広く知っていただくことで就職先の候補のひとつになるのではないか、という期待がありました。「この会社よく見るよね」「この会社知っている」、そんな風に大鉄工業が学生さんの友人や家族間で話題に出てくるようになってほしいと考えていました。

一井さん 対学生という意味でも、対外的にもっと広い意味でも、私たち大鉄工業の今までの最大のブランディングはJR西日本グループであることへの「信頼」や「安心」でした。しかし、コロナ禍によって社会は目まぐるしく変化し、先行きを見通すことはますます難しくなった。JR西日本グループであることが必ずしも強みになるとは限らないこの時代に、どう社外にアピールしていくべきか。課題が一気に顕在化して、全社的に焦りがありましたね。

青柳さん ただし、私たちはBtoCへの広告はほとんどやってこなかったので、プロモーションの手法はまったくと言っていいほどわかっていなかったのです。そこで、同業他社やほかの建設会社をリサーチしてみたところ、球場への広告掲出が多いことがわかりました。それから、私たちもそんなことができたらいいね、と少しずつ社内でも盛り上がってきたのです。
やはり私たちは京阪神エリア中心にビジネスを展開していますし、「どうせ出すなら一番ビッグなところがいい」と思って阪神コンテンツリンクさんにお声がけしました。阪神タイガースへの認知度、そこに紐づく信頼度もかなり高いはず。結果として大鉄工業の認知度や信頼度も引き上げることができるのではないか、という狙いがありました。

対外的な効果は抜群でリクルートや営業活動に好影響

青柳さん そうと決めたらさっそく問い合わせフォームからコンタクトを取り、すぐに打ち合わせをさせていただき、オーロラビジョンに投影される「リプレイ・リクエスト映像」への社名掲示を提案していただきました。特にリクエスト時にリプレイ映像が場内に流れるのは、際どい判定で、しかも試合の流れを左右する重要な局面ですから、「年間約300万人の観客の視線がオーロラビジョンに集中する」というご説明がとても魅力的に思えたのです。
上申する際には、阪神コンテンツリンクさんに資料の準備をバックアップしていただき、プロモーションのことをすべて一から教えていただきました。他球団、ほかの球場との比較データも出していただいて、さすが年間集客数日本一の阪神タイガース、広告効果などが非常に期待できる数字だったことを覚えています。こうして無事に、2024年度からスポンサードさせていただくことが決まりました。

私も実際に現地でリプレイ・リクエスト映像を見たのですが、確かに観客の皆さんが固唾をのんで見守っている。短い時間であっても、グッと集中しているのです。しかも2024年シーズンの阪神タイガースは最後まで優勝争いをし、クライマックスシリーズにも進出してくれましたので、ペナントレース終盤まで注目度は高いまま。広告効果も上がってくれるのではないか、と期待しながら阪神タイガースを応援していました。

実際にスポンサードを始めて1シーズンが終わりましたが、対外的な効果は非常に高かったと思います。インターンシップの学生さんたちに「大鉄工業の広告見たことありますか?」と尋ねると、けっこうな数の方が挙手してくださって、いい感触を得られました。また、大鉄工業の名刺にはトラッキーを入れさせていただいているのですが、営業での話題づくりに大いに役立っているという声も聞こえてきます。本来のテーマとは違うけど、次に繋がるような話ができた、とか。他球団のファンのお客さまに会ったらどうしよう…という心配もありますが、それはそれで話のきっかけになるはずですから。

阪神タイガースを入口にして大鉄工業のことを知ろうとしてくださる方も増えてきましたし、スポンサードを通じて「自分たちを見せる武器がひとつ増えた」という実感ですね。

予想以上の反響があった社内 意識が外に向くきっかけができた

青柳さん 冠協賛試合を実施したときは、会社がちょっとしたお祭りのようになって、準備の段階からまるで学生時代の文化祭のようにワクワクしました。社員のお子さんたちに始球式などのイベントに参加してもらったのですが、社員だけではなく、球場のほかのお客さまもいっしょに盛り上がっていただき、大鉄工業のよいブランディングになったと思います。

社内にも良い効果があったのではないかとも感じています。わが社の社名が阪神甲子園球場に出た!という素直な喜びの声もありましたし、家族や知り合いに大鉄工業のことを説明しやすくなったという声もありました。
このように、エンゲージメントの向上に寄与したことはもちろん、自分たちでもっと大鉄工業を発信していこうという機運が高まったことが、じつは一番の成果だったのではないかと個人的には感じています。「もっとこんなことをやってみたら?」「こういうことをやってみたい」という声が社内で自然発生的に上がってくるようになったので、本当に価値のある取り組みだったと思います。

一井さん このスポンサードの話は、時期としてもちょうどよかったのです。JR西日本グループが、外部収益をきっちり上げていこうという目標を掲げている最中の話だったので。外部の方とのパートナーシップによって私たちの殻を破っていこう、もっとどんどん外に出ていこう、という社内の意識を変えるきっかけになったと感じています。

青柳さん スポンサード契約を継続すべきか社内アンケートを実施したのですが、回答してくれた社員の8割以上がポジティブに捉えており、次年度の契約もすでに決まっています。
次年度はトラッキーに大鉄工業のヘルメットを被って、うちの作業服を着てもらって、1日社員として線路のメンテナンスをやってもらうとか…、冗談です(笑)。いずれにしても、大鉄工業の企業イメージと阪神タイガースさんのイメージがうまく重なるところを見つけて、多くの人の目を引くプロモーションを実施したい、そんなことを考えながら今からワクワクしています。阪神コンテンツリンクさんには、これからも多くの相談にのっていただきたいと思っています。


[担当者のコメント]
阪神コンテンツリンク  海尾
大切な広告予算を使っていただいて、非常にうれしく思っておりますし、それに見合ったもの、それ以上のものを提供したいと思っています。普段の会話の中でもたくさんの積極的な提案やリクエストをしてくださるので、できるだけオフィスにお伺いして、多くのコミュニケーションを取るようにしています。私自身も大鉄工業様の課題と向き合いながら、常にいっしょに前進しているという実感を持てています。